2005年8月28日日曜日

梁甫吟

諸葛亮孔明が好んで口ずさんでいたとされる楽府詩である。



歩 出 斉 城 門 (歩みて斉の城門を出れば)
遥 望 蕩 陰 里  (遥か蕩陰の里を望む)
里 中 有 三 墳 (里中に三墳あり)Img225
累 累 正 相 似  (累々として正に相い似たり)
問 是 誰 家 墓 (問う 是れ たれの墓ぞと)
田 疆 古 冶 子 (田疆と古冶子なり)
力 能 排 南 山 (力は能く南山を排し)
文 能 絶 地 紀 (文は能く地紀を絶つ)
一 朝 被 讒 言 (一朝にして 讒言を被り)
二 桃 殺 三 士 (二桃もて三士を殺す)
誰 能 為 此 謀  (誰か能く 此の謀を為すや)
国 相 斉 晏 子 (国相なる斉の晏子なり)



孔明は、草櫨にあって斉の名宰相「晏子」のように社稷を尊び天下国家の経営に参与したい思いがあったのであろう。さてこの「晏子」を知ったのは、10年くらい前である。宮城谷昌光の「晏子」という本である。司馬遷が御者にまでなりたいと言った程の名宰相である。それまでは、名宰相といえば「倉禀実ちて礼節を知り、衣食足って栄辱を知る」の名言で知られる管仲ぐらいであったが、三国志と宮城谷氏のおかげでいろいろ勉強したものである。この時期は、確か静岡に住んでいたはずだが、「重耳」「孟嘗君」などを長いなあと思いながらよく読んだものである。中国の歴史は本当にタメになるしおもしろい。昨年の4月に日露戦争の舞台である「旅順」「瀋陽」を訪問したが、これもまた言葉にしがたい感動を覚えたものである。まだまだ行きたい場所は数多くあるが 、今の日中関係ではそれもままならない。なんとも歯がゆいものである。





2005年8月7日日曜日

介子推

Img224 介子推(かいしすい)は、後の晋の文公「重耳」に仕えて、彼が諸国をさまよって飢えに苦しんでいた時にひそかに食糧を確保したり、刺客の凶刃から守ったりした人物です。重耳は19年という長い亡命生活を終えて晋へ帰国を果たして君主の座に着きます。そこで、これまで彼に従って来た臣下達に論功行賞を行いますが、帰国する直前に重耳とその重臣である咎犯(きゅはん)のやりとりを目撃するのです。咎犯は重耳に対して自分たちの手柄を誇るようなことを言い、重耳もそれを認めて絶大な報酬を与えることを約束します。介子推は重耳を助けたのは咎犯など重臣達だけではなく、重耳に付き従って苦労を共にしてきた者達すべてであると考えています。また、重耳は天によって守られてきたのであり、君主になるのも天の考えだと思っています。ですから個人が手柄を誇るのは間違っており、それを認めた重耳に失望してしまうのです。そして、重耳は自分の君主ではないと考え、母と共に山へ姿を消してしまいます。やがて、介子推の隠れた働きを知った重耳(文公)は、彼を大夫として賞し再び自分の配下になってくれるように彼を探します。しかし、介子推は、二度と山から姿を現すことはありませんでした。文公はどうしても介子推に会いたく、山に火をつけた。逃げ道を 1本だけ確保しその出口で待てば、そこから出てきた介子推に会えると。だが、それでも介子推は山を下りなかった。焼山からは母をしっかりと抱きしめた介子推の亡骸が見つかったという。文公はこれを恥じ、綿上山を介山と、改めかの地を介子推の地として立入禁止とした。そして、人々は介子推の死を悼み清明節の前日には火を使わず冷たい食事のみをとった(寒食節)と言う。寒食の日に火を用いない理由というのが中国全土で介子推を悼んでいるからなのだそうです。宮城谷氏の小説の中に、次のような場面がある。介推が重耳の住居に火を放った刺客を退けたのち、従者の慈英と話しているところです。



「わたしは籍沙さんが好きだ」
 介推は少し声を高くした。
「わたしもですよ」
 慈英はつぶやくようにいった。
「あの人の心は、くもりがない。そんな人がどうして重公子の暗殺に手を貸すのか」
「わかりませんが、わたしには籍沙さんが犯人におもえます」
「慈英よ。人を疑うと、ふたつのつらさをいだくことになる。その人が犯人でなかった場合、自分がみじめになる。また、その人が犯人であった場合、さらにみじめになる。それなら、人を疑わず、騙されつづけていたほうがよい。騙されるのは愚かであろうが、騙す不幸よりまさる。そうおもわぬか」
 慈英はいちど深く首をたれてから、急に首をあげた。
「推さまのような人を仁人というのです」
「ずいぶんもちあげたな」
「どれほどもちあげてもよいのです。事実、そうなのですから」
「ふふ」
 くすぐったそうに介推は笑った。



私は、こうした清廉潔白さを尊敬したい。



2005年8月6日土曜日

名古屋名物:あんかけスパゲッティー

Img223 庭が気になり帰宅です。先月、名古屋の夏は蒸し暑いと報告しました。今日なんか1分も歩けば、玉のような汗がでました。なんとかなりませんかネ。こちらへ戻ってもさすがに今日は暑いです。来週は、弘季の要望で、愛・地球博に行きますが、熱中症にだけはならないよう気をつけねばなりません。お盆休みで人出が思いやられます。さて、名古屋には、珍名物がたくさんありますが、最近、人気を呼んでいるのが、「ヨコイのあんかけスパゲティー」です。昨日、初めて食しましたが、懐かしい味で、なかなかいけます。4種類の野菜を炒め煮して裏ごししてからひと晩ねかせて、牛の挽肉とトマトペースト、トマトピューレを入れてさらに12時間かけて煮込むソースは、とろりとしていて舌にピリッとくる辛口。このソースに合わせて選んだ太さ2.2ミリの極太の麺は、短めにボイルしたあとラードで炒めたもので、コシがあ り歯ごたえも抜群の仕上がりです。是非、ご賞味を!!