ウィーンは退職したらかみさんと行くつもりですが、先を越されました。
娘から嬉しいお土産をもらいました。ヴァイオリン型パッケージのチョコレート・モーツァルトの絵葉書2枚・モーツァルトのしおり・モーツァルトのバッジです。さすが我が娘わかってらっしゃる。
でもFacebookの友達にはなってくれません。「だって友達じゃあないもん。」確かにそりゃそうなのだが・・・・・・・・・。
ちなみにかみさんも同じ事を言われたようです。
まだ、暑いが秋の気配は朝晩に感じられるようになってきました。
秋の日のヴィオロンのためいきの・・ベルレーヌの詩ではないが、そんな夜に、ヴァイオリンソナタを聴く。第58弾は「ヴァイオリン・ソナタ第42番 イ長調 k526」から第二楽章アンダンテ(ちなみにこの楽章はニ長調)。
赤ワインでも飲みながらと言いたいところだが、カフェゼリーを食べながらだ。そう家では一滴も酒を口にしないからしょうがない。8分音符の独特な第一主題は繰り返し奏され、バロックのシャコンヌ的な雰囲気を醸し出している。第二主題はイ短調で幽玄的な印象です。
それでは、聴いてください。mozart_42_k.526 - ii. Andante(Grumiaux) (クリック)
第57弾は、「ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407」。楽器編成は、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロ。弦楽五重奏曲の第一ヴァイオリンがホルンに置き換わった形式だ。ヴィオラ2本にしていることで、ホルンを際だ出せようとの意志が感じられます。この曲も、ホルン協奏曲同様、ロイドケープの為に作曲されました。第一楽章は全体に明るく陽気なメロディーラインです。第二楽章の牧歌的なのどかさが心にしみわたります。アインシュタインは「ホルンと第1ヴァイオリンのあいだの小さな愛の対話」と表現しています。納得。第三楽章の一生懸命な16分音符のホルンにも注目です。
それではお聴きください。mozart_k.407 (クリック)
今日は、朝から洗濯を済ませ、8時半には床屋に。ところが突然のスコール。洗濯は一からやり直し。がくっ!!それにしても暑い日が続く。
さて第56弾は、「グラスハーモニカのためのアダージョとロンド K617」。残念ながら、ピアノでの音しかもっていないが、晩年の名曲には違いない。グラス・ハーモニカ(ピアノ代用)、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの5声で成り立っており五重奏曲の部類にはいるのだろうか。アダージョ(ハ短調)は、K488の第2楽章のように、人生の終わりを感じさせる悲しい音使いで始まる。でも美しいと感じさせる。 「アマデウス死の調性」ともいうべきハ短調の為せる技であろうか。でもロンド(ハ長調)へ移ると一瞬にして、その悲しさから解き放される。少年時代の陽気さと無邪気さいっぱいのメロディー。一度聴いたら忘れられない曲だ。
それでは、お聴きください。mozart_k617(クリック)
金曜日であるが、早くの帰還。今夜は、アマデウス・ナイトでいこう。
第55弾は、「二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190(186e)」。この曲は2つのヴァイオリンの他にオーボエとチェロも独奏楽器として使われており、特にオーボエが魅力的である。{二つのヴァイオリンとオーボエとチェロのための・・}でもいいかもしれない。2・3楽章は、チェロ協奏曲のような場面も。コンチェルトーネとは「大協奏曲」という意味であるが、「協奏交響曲」とは別に、協奏曲と交響曲の中間的なジャンルで、北イタリアからオーストリアにかけての地域で愛好されていたという。
第1楽章 | Allegro spiritoso | ハ長調 | |
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第2楽章 | Andantino grazioso | ヘ長調 | |
第3楽章 | Tempo di menuetto, Vivace | ハ長調 |
[ 編成 ] 2 violins, 2 violas, violoncello, bass, 2 oboes, 2 horns, 2 trumpets
アマデウス・ナイト1曲目としては、軽快にしてさわやかな曲調で最高ではないだろうか。2曲目は、この流れだと、K364になりそうです。
このK190は、やはり隠れた名曲だと思う。
それでは、第2楽章をお聴きください。
kv_190_ii. Andantino grazioso (クリック)
第54弾は、「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K271 ジュノム」。フランスの謎のピアニスト ジュノム嬢がザルツブルクを訪れた際に、献呈された曲である。最近では、ジュノムは存在せず全く別のジュナミ嬢に捧げられたと謂われている。
さてこの曲は、いきなりオーケストラとピアノの掛け合いから始まる。そして、なぐさめなき変ホ長調とその平行調である死と悲劇の調性 ハ短調によって構成されている。
第一楽章(アレグロ)は、優雅で飛び跳ねそうな音の中に、時折見せるピアノの優しさがなんとも言えず心地よい。
第二楽章(アンダンティーノ)は、冒頭の弦楽器だけで泣けてしまいます。そしてピアノが始まると思わず胸が詰まるのです。ただ美しいだけでなく、切なく哀しいメロディ。
第三楽章(プレスト)は、魅力の固まり。フランス風のロンドの間に、優しく美しのメニュエットが挟まれています。ピアノは流れるようなテンポで冒頭34小節まで一人で一気に駆け続けます。そして管楽器がそのスピードを引き継ぎます。そしてメニュエットで全く違った世界を演出し、またロンドへ。まるで遊園地で遊んでいる楽しさです。
それではお聴きください。mozart_09_k.271 (クリック)
随分と間が空いてしまった。さて第53弾は「ヴァイオリンソナタ 第41番 変ホ長調 K.481」。第一楽章に、かのジュピター音型をもつ曲だ。その旋律は軽やかで、梅雨の晴れ間の日差しが見える今日にぴったりだ。そして第二楽章(変イ長調)のアダージョには、まいりました。美しくも悲しい旋律。ヘ短調への転調。出だしは、何気ない子守唄のように始まる。その優しいメロディーは、突如ある決意を込めて青空へ飛び出そうとする。そこに天上からの音が降り注ぐ・・・
それでは聴いてください。mozart_41_k.481(クリック)
モーツァルトとクラリネットと言えば、既に紹介した、K581とK622であることは誰も否定しがたい事実だろうが、第52弾は、モーツァルトが初めて、クリネットを用いた作品「ディヴェルトメント 第1番 変ホ長調 K.113」を紹介したい。たぶんイタリア旅行(ミラノのマイヤー邸にて)で初めてクラリネットに触れ、すぐさま作品を作りたかったのだろう。<ザルツブルクのオーケストラには、少なくとも1777年までは、クラリネット奏者がいなかったようだ。)クラリネットは、モーツァルトが生涯愛した楽器だ。この曲は、15歳のときの作品で、その後、第2稿としてオーボエ、イングリッシュホルン、ファゴットを追加している。特徴としては管と弦の交互の掛け合いだろうか。特に好きなのは、第3楽章のTrioだ。このトリオ部はト短調で極めて印象的だ。これに呼応して第四楽章の展開部にもハ短調のフレーズが少し出てくるのでおもしろい。最後に、変ホ長調は、結構お気に入りの曲が多く、名曲が多いことを付け加えておこう。ピアノ協奏曲第9番や22番、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、「魔笛」、交響曲39番、弦楽三重奏のためのディヴェルティメント などがそれだ。
それではお聴きください。k.113(クリック)
雨の土曜日は、単身赴任者にはつらい。なにもすることがない。その上、意外に激しい雨。こんな日は、音楽を聴きながら読書するしかない。第51弾は、「フルート四重奏曲第2番 ト長調 K285a」から始めよう。フルートの柔らかな響きが気分を爽快にしてくれる。ましてちょっと飲みすぎた翌日には。K285aは、もともとK285の第1楽章に続いて、第1楽章がその第2楽章、第2楽章が第3楽章に位置づけられていた。しかしその後、紛失されていたとされていたド・ジャンのための四重奏曲の1曲がこの2楽章作品であるとされ、K285aとなった。
それでは聴いてください。
andante_quartet_k.285a (クリック)
tempo_di_menuetto_quartet_k.285a (クリック)
今日は、宮崎に来て3度目の結婚式に参列した。いずれも主賓の挨拶をせねばならず、プレッシャーを感じつつ宴席が始まるのを待つ。何度やっても緊張はするものだ。とくに列席の人数が多いと。結婚式のあとは、いつも教会音楽を聴くようにしている。キリスト教徒でもないのに不思議だ。第50弾は、ヴェスペレ「主日のための晩課」K321から「Lautate Domini」。Lautate Dominiは、もちろん K339が誰が聴いても名品だ。しかし、こちらのアリアも好きだ。この曲は、オルガンが独立で演奏しているのが珍しい。
それでは、聴いてください。_k.321 - 5(クリック)
モーツァルトのシンフォニーには、3つのイ長調シンフォニーがある。一番有名なのは、言わずと知れた29番。私のお気に入りの一つだ。だから後のお楽しみに勝手にしている。そして14番(K114)と今日紹介する「交響曲 第21番 イ長調 K.134」。イ長調はアマデウス旋律の王様と勝手に呼ばせてもらっている。やはりイ長調でのホルンはハイトーンで最高だ。また、フルートも美しい。第一楽章、ファーストヴァイオリンの軽やかな飛躍に、第二楽章のフルートのオブリガード、第三楽章のトリルと三連譜とそれに続くピチカートと楽しみがいっぱい詰まっている。
それではお聞きください。mozart_21_k.134 (クリック)
モーツァルトには、有名な「ジュピター音型」(C-D-F-E)がある。もちろん交響曲第41番「ジュピター」第4楽章に使われる音型だからそう呼ばれる。ある意味、モーツァルトにとってこの音型は生涯のテーマであった。彼が8歳の時、ロンドンで初めて作曲した交響曲第1番第2楽章では既にその音型がホルンによって奏でられている。第48弾は、「交響曲第1番 変ホ長調 K16」。モーツァルト8歳のときの作品だ。ロンドンで活躍するクリスチャン・バッハやアーベルたちの公開演奏会に刺激を受けて作ったとされる。第2楽章アンダンテ ハ短調(5分50秒あたりから)。その旋律に籠められた悲しみに驚嘆する。8歳の少年が何故に最初の交響曲の緩徐楽章に死の調性とも言うべきハ短調を選んだのだろか。
それでは、聴いてください。
mozart_01_k.16 (クリック)
東京より何故か遅れて宮崎にも桜の満開の時が来た。当然こちらのほうが暖かいのに不思議な気がする。さて第47弾は、「交響曲第18番 ヘ長調 K.130」。数少ないヘ長調の曲だ。ヘ長調の曲は、軽やかな曲想が多い気がする。K138,K413,K459,K370などが挙げられる。18番は天才少年モーツァルトの溌剌感が魅力ではないだろうか。そして此の曲は、オーボエをはずし、フルートを入れた編成、ホルンを4本使った点が目を引く。レントラー調のメニュエットもおもしろい。浮き浮きした気分の時に聴いてください。それでは、前項のチェンバロつながりで、ピノックの演奏で。
mozart_18_k.130 (クリック)
第46弾は、「交響曲第30番 ニ長調 K202」だ。K183、K201という「珠玉のシンフォニー」の後だけに、常に低い評価を受けがちな交響曲だが、私は出だしのファンファーレとエンディングには魅了されずにはいられない。ファンファーレの華やかさは、ニ長調だけあっていつまでも耳に残る。まさにニ長調のなせる技そのもの。そして第4楽章エンディング直前110小節目のパウゼ。降参ものです。また第1楽章のつなぎの102~110小節の第1ヴァイオリン(4分9秒あたり)がたまらなくいい。(モーツァルトの何気なく登場するこういうところにいつもヤラレテシマウ自分がいる)そして第2楽章の弦楽器だけのセレナード風のアンダンティーノは、モーツァルトらしさを十分に感じさせてくれます。第2ヴァイオリンのカノン風の味付けがそうさせているのでしょうか。20分かからない短いシンフォニーです。とにかく聴いてみてください。
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第45弾は、「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466 第1楽章」だ。k466は既に第2楽章紹介の際、第4弾で記載している。コメントはそちらをご覧ください。今日は、ボビー・マクフェーレン&チック・コリアのMozart Sessionsから、第1楽章をお聴きください。
mozart_20_k.466 - I. Allegro ←(クリック)
第44弾は、4曲のホルン協奏曲から、「ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495」の第2楽章をお届けしたい。正式には、ロイトゲープのためのヴァルトホルン協奏曲といったほうが良いだろう。4番となっているが、2番目に作曲されたものだ。(2-4-3-1の順)。楽譜を何色ものインクを使って総天然色で書き上げるという、いたずらをしたことは有名だ。この第2楽章は、優しさにあふれている。目を閉じて聴くと、目の前にゆっくりと朝焼けの暖かな光がひろがります。
それでは聴いてください。mozart_4_k.495 2 ← (クリック)