三連休2日目。映画「ワールキューレ」を鑑賞。危機管理プログラム「ワールキューレ作戦」を利用したヒトラー暗殺計画を描いた作品だ。1944年7月20日(史実:正午12時42分爆発)、東プロイセンの総統大本営「ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)」でヒトラーを爆弾により暗殺した後にベルリンを占拠し新しい政府を確立するという計画だ。
主人公クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐をトム・クルーズが演じている。ヒトラー関係というより第二次世界大戦については、昔から興味があり、数百冊を所蔵、ライフワークのように研究していたので絶対に見逃せなかったのだ。
主役のクラウス・フォン・シュタウフェンベルクは、切手にもなっており戦後「ヒトラーに対する抵抗運動の英雄」となっている。フィクションで結末がわかっている映画は、場面場面の緊迫感が重要である。それがないとあっけなく終ってしまうからだ。その点、この映画は見事だったといえるだろう。
さて映画では、かなりきちんと描かれいるが、たぶん知らなければ微妙に暗殺失敗の原因はわかりにくい。
当日、地下会議室で行われる予定の作戦会議が、暑さのせいで、地上の木造建築の会議室で行われ、窓も開け放され、仕掛けた爆弾の威力を削いだこと。また、会議が30分早まったこと。総統副官のブラント大佐が、鞄が邪魔で机の脚部外側に移動させたことで、太い樫の脚部が遮蔽物となり爆風をよけられたこと。などなど不運が重なったのだ。<ヒトラーは右腕を打撲し、背中に裂傷と火傷を負い、右の鼓膜が破れただけだった>
シュタウフェンベルクは、自らの命を懸けてヒトラーを止めようとしたドイツ人がいたとう証として、戦後のドイツで、人々の意識の中に生き続けている。ちなみに、このクーデターの粛清で命を落とした関係者は、総計で6千名にも及ぶと言われている。
シュタウフェンベルク 最後の言葉「我が神聖な祖国、ドイツよ、永遠なれっ」
映画は、かなり史実どおり描かれていたように思われる。しかし違うところもある。
映画で自決したベック大将は、実は2度自決に失敗し、フロム将軍の部下により銃殺されていること。また、前線に出ていて自決したトレスコウ少将も、実は手榴弾自決に失敗し、病院で逮捕されていること。を付け加えておこう。
この時代に興味のある方は是非ご覧に!
今後の映画鑑賞予定は、「レッドクリフⅡ」「天使と悪魔」になりそうです。