2006年12月18日月曜日

冬もアマデウス - モーツァルトを語る 第6弾

1756au3_1 第六弾は、弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 K.465「不協和音」。第三弾の「春」に続き、ハイドンセットからです。この曲の特徴は、題名にあるように「不協和音」から始まる。そしてそれは、2分あまりの序奏の(出だしの22小節の和音効果)だけである。低音のチェロに始まり、ビオラ、第2バイオリン、第1バイオリンと少しずつ遅れながら入ってゆくのだが、その音が、「ド」「嬰ソ(ソの半音上)」「変ミ(ミの半音下)」「ラ」となっており、「嬰ソ」と「ラ」は半音違いしかないわけで、調和していない濁った響きになる。連結すべき2個の和音の構成音のうちに半音階的関係を成す2音が含まれる場合には,それらの2音を同一声部で処理しなければならないという規則がある。(それに反することを「対斜」というが)この禁を破ったのだからたまらない。これがこの曲が「不協和音」と呼ばれる所以である。しかし、現代に生きる我々にはそれは、さほど奇異に感じない音なのだ。ロマン派・現代音楽を経て、こういう音があるとわかっているからだ。しかしモーツァルトの生きた18世紀では理解されなかったであろうと想像する。ハイドンに献呈された中にこれがあるのは、ハイドンならこの斬新さがわかってくれると思ったのではないだろうか。さて、その不協和音部分はおいといて、それに続くアレグロの主題の快活さはなんだろう。いつもの秩序を取り戻した響きに満ちた音のシャワー。陽の光が燦々と降り注ぐ大地にいるのような気分にさせてくれる。形も色も距離も極めて明確な音楽とはこのことか。それでは、k.465- 1.Adagio.mp3 (クリック)をお聴きください。 コメントお待ちしてます。



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