2007年9月17日月曜日

悪党の裔

Photo_3 2_2 北方謙三 南北朝シリーズ「悪党の裔 上・下」を読んだ。播磨の悪党 赤松円心を描いた作品だ。楠木正成が河内千早城で数十万の大群をわずか数百で対峙している時、絶妙のタイミングで播磨にて挙兵。京都へ向かってひた走る。倒幕の流れを一気に掴む。その戦略眼。しかし後醍醐天皇の新政に早々と見切りをつけ、次の流れまでじっと身を潜める。その後、武士の時代は止めようもないと、尊氏を支援。円心は時代の流れを見事に読みきり、悪党として狡猾に生きていく様が描かれている。しかし、そこには、自分の力で世の中(流れ)を動かしてみたいとう夢がある。そしてそれを見事に達成する。善悪を超越して自分の生きる道をひたすら突き進む 円心の生き方は、好き嫌いの分かれるところであろうが、私はこの時代であれば、そうした生き方もあるのかと思う。楠木正成がこの時代の光りなら、赤松円心は影とというところか。



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