2008年12月21日日曜日

奔流

Photo 田中芳樹「奔流」を読む。



時は六世紀初頭、南北朝時代。、中国史上、屈指の血戦「鐘離(しょうり)の戦い」を中心に、若き天才将軍「陳慶之」の戦いぶりとその陰に散った男装の麗人との悲恋を描く歴史スペクタクルの傑作。日本ではあまり紹介されることのない中国の歴史上のエピソードを発掘であろう。後漢滅亡後、隋の天下統一までの間、様々な国が勃興していく中から北朝の「北魏」と南朝の「梁」の激突を描き、「戦えば必ず勝ち、攻めれば必ず落とす」とまで言われた天才将軍「陳慶之」。その他、仙人のような知将や、巌のような猛将、女好きの勇将やら、どんくさい名将に、妖艶な女将まで、各種取り揃えた将軍たちの鮮やかな描写が読みどころだ。ラブストーリーは付けたし。



陳慶之はこの物語の後年、わずか七千騎の兵で北朝の首都である洛陽を陥落させている程の天才なのだ。白袍隊という騎馬隊を率いて数々の戦場で活躍し、死ぬまで不敗だったというのだから、その凄さは右に出るものはない。是非ご一読を!



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