塩野七生の「緋色のヴェネツィア」「銀色のフィレンツェ」「黄金のローマ」という、イタリア三都を舞台にした三部作を読む。
イタリア三都の作品と言えば、塩野氏はすでに書いている。ヴェネツィアは「海の都の物語」、フィレンツェは「わが友マキアヴェッリ」、ローマは「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」の三作品だ。
今回の作品は、三都を巡り、架空の二人が主人公がいて、歴史の場面を通じて事件を通じての物語になっている。しかし、塩野氏のイタリア歴史小説の真の主人公は「都市」そのものという意味では変わらない。
時代は、ルネサンス最盛期を過ぎ、衰退期に入った三都市を描く。
「緋色のヴェネツィア」
[E:book]
16世紀前半、海の都ヴェネツィアはトルコ、スペイン、神聖ローマ帝国の3強大国に挾撃され国家存亡の危機に瀕していた。国難にあたる若きヴェネツィア貴族と謎のローマの遊女、貴婦人との秘めた愛を胸に野望を抱く元首の庶子…。権謀術数が渦巻く地中海世界を描いた、ルネサンス歴史絵巻第1部。
「銀色のフィレンツェ」
[E:book]
若きヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロは花の都フィレンツェを訪れたが、かつての共和国は今や大国を後楯にする公爵の独裁下にあった。その専制君主をめぐるメディチ家の陰謀に巻き込まれるマルコと遊女オリンピア…。16世紀前半、翳りゆくルネサンス・イタリアを描く絢爛たる歴史絵巻第二部。
「黄金のローマ」
[E:book]
永遠の都ローマ。古代からの時間と空間が濃密に積み重なり、農穣な想像力の世界へと誘う。その一方で、覇を競う列国の陰謀が交錯する都市でもあった。ルネサンス最後の法王パウロ三世と教会軍総司令官の息子、孫の枢機卿、そして遊女オリンピアの秘密とは…華麗なルネサンス歴史絵巻第三部。
お勧めします。
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