神事の前に唱える祓詞(はらいごと)は、
掛けまくも畏き伊弉諾大神
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
御禊祓へ給ひし時に
生り坐せる祓戸の大神等
諸々の禍事罪穢有らむをば
祓へ給ひ清め給へと白す事を聞食せと
恐み恐みも白す
・・・
この「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」にまつわる二つの神社を今日は訪ねた。宮崎のメイン通りは、橘通りと呼ばれているが、当然ここからとられている。
まずは、大淀川のそばにある「小戸神社」。ご祭神はもちろん伊弉諾尊。「小戸」とは、今の大塚地区と下北方地区との間、柏田より広がる下流域の三角州、すなわち旧宮崎市街地全域を指した古い地名である。本来は、大淀川の河口にあったようで、港を守る神として大切にされたそうだ。現在は、何度も場所を移し、少し上流に位置している。
神門をくぐり目の前には、ご神木の見事な「おかだまの木」が。おかだまは、元々は「招魂(おぎたま)」が訛ったものらしい。拝殿も厳かだ。
神社の方に、ご由緒書きをもらい。境内を後にして、阿波岐原にある「江田神社」にむかった。こちらは、伊邪那岐尊、伊邪那美尊の両神を祀っている。
妻である伊邪那美を追って黄泉の国へ行った伊邪那岐が、黄泉から戻った時に、その汚れを祓うために阿波岐原で「禊祓(みそぎはらえ)」をした、と古事記にあることから、阿波岐原はみそぎ発祥の地であるとされ、近くにはみそぎの池(御池)がある。そばには、フェニックスゴルフクラブやシーガイアリーゾートホテルがある。昨日はそこで、部下の結婚式に参列した。由緒ある場所での結婚式とは羨ましい限りだ。
「延喜式」では日向国式内四座の一つとなっている。拝殿の右横から御池へ向かう途中に「みそぎ御殿」というのがあった。そこから少し散策してみそぎ池(御池)へ向かう。
今日も 日向神話を訪ねる半日となってしまった。