伊豆、相模の両国を治め、さらに武蔵国を攻略する北條氏。いま、その根城・河越城は、関東の諸勢力八万五千の大軍に囲まれていた。城を守るのは、焔虎の異名をとる猛将・北條綱成だったが、味方はわずかに三千。北條家三代目の惣領として氷龍と仰がれる北條氏康は、これを救うのか、見捨てるのか。氏康、綱成の絆と北條氏を関八州の覇者へと導いた乾坤一擲の戦いが始まる。
なぜ伊勢氏が、北條家を継いだのか?
なぜ北條家が、鶴岡八幡宮を再建したのか? 本書を読んでよくわかった。また、関東における二人の公方の関係なども詳しく書かれている。ここは、小説としてはかったるい部分なのだが・・・。
物語は若き日の氏康と妹婿綱成の絆、塚原卜伝や風間小太郎との出会いなどを織り交ぜながら史上に名高い「河越夜戦」へと再び戻ってゆく。これはまさに、名君と謳われた氏康の青春小説というべきものだろう。あっという間に読み終えた。
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