粛 蒙の背を拊ちて曰く「我 謂えらく大弟はただ武力あるのみと。今に至りて学識栄博にして、復た呉下の阿蒙にあらず」と。蒙曰く、「士 別れて三日なれば、すなわち更に刮目して相い待つべし」
三国志の中の好きな言葉の一つである。「士と称するものは、別れて三日もすれば思っている以上に成長しているものだ。よくよく目を凝らして見なければいけない。」という意味である。年をとるとどうしても若い者は駄目だとか、昔はこうじゃあなかったと批判じみてしまうけれど、そういう自分が時代に取り残されて、若い者はどんどん成長しているかもしれない。それを素直に受け入れ、気がつかないと恥をかくのは己かもしれない。と最近はこの言葉を受け取る。逆に若いころは、上に対して「今に見ておれ」とこの言葉を飲み込んでいたものである。変われば変わるものである。
そういえば、「論語」にも
子曰く、後生畏るべし。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや。四十、五十にして聞こゆること無くんば、斯れ亦た畏るるに足らざるのみ。
という言葉がある。若い者はどれほど伸びるかわからない可能性をもっているので決して侮ってはいけないというわけである。この年になり大いに考えさせられる。
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