2009年9月23日水曜日

軍艦武蔵

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手塚正己著「軍艦武蔵」を読む。十数年前に、吉村昭氏の「戦艦武蔵」を読んだが、それはあくまで武蔵そのものの生涯といった内容だった気がする。まあ、(それも夢中で読んでいたのだが)。その頃は、まさしく太平洋戦争オタクというほど、太平洋戦争物に没頭していて、たぶん300冊くらい購入して読んでたか。さて、久々の太平洋戦争関係書だが、あったぱれ手塚氏の、生存者への克明なインタビューにより、武蔵に乗り、また関わった人々の知る武蔵の生涯とそこにいた人々、特に若者の突き付けられた現実の有り様を見せつけてくれた。帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」。乾坤一擲「捷一号作戦」でのサマール島沖での壮絶な最後。上下巻合わせて1400ページ弱に及ぶ、大変な労作である。記録文学の面白さを存分に味わった。しかし、それにしてもやっとの思いで武蔵からの生き延びた青年たちの、その後のフィリンピンでの壮絶な死が痛ましくてならない。



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