2010年7月11日日曜日

李厳と李自成

Photo[E:book]小前亮著「李厳と李自成」を読む。

明朝末期、度重なる戦と凶作、そして苛酷な税に喘ぐ民の負担は限界を超えていた。各地に反乱の烽火が続々と上がる。叛徒を率いる李巌と紅娘子は、四川で反乱勢力を指導する李自成に合流し、厳しい軍規を掲げて明朝打倒の先頭に躍り出た。さらに、明を狙う強大な女真族も南下を始め、時代は大転換へ向け動き出した。

『十八の子』が天下をとる。「李」という文字を分解すると、それはまさに「十八の子」となる。そして彼らは、中国の歴史で数多く発生した反乱の中で、初めてマニュフェスト・・・ならぬ、政権を取った場合の構想も掲げる。すなわち、「均田、免糧」「徭役の免除」「官が暴力で民を搾取しない」「富豪の金銭を没収し、貧民に分け与える」「軍の綱紀粛正、民を殺さないなど」「賢者を尊び、士人を礼遇する」といったものだ。そして天下を握るが、李厳の心は晴れない・・・

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