2013年3月31日日曜日

倭の風

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加藤徹著「倭の風」を読む。



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ヒメミコト亡きあとの倭国へ帰還するために、トヨは魏の都洛陽を脱出した。大王への即位を狙う非情の軍事的権力者・ヒコミコトの野望を、トヨは阻止することができるのか―。三世紀半ばの倭国を舞台に、神話時代から歴史時代への過渡期の混沌をダイナミックに描く、歴史ファンタジーの快作。





邪馬台国を描くのに中国から始めるとは、ずいぶん意表を突いてくれた。
注目すべきは、クライマックスで明らかにされる、トヨ達とヒコミコトの戦いの意味だ。それは、神々の時代から人間の歴史へと移り変わるための、通過儀礼に他ならない。作者は、巨大な時間と空間の視座から、激動の古代史を捉えているのだ。おもしろい。

2013年3月23日土曜日

韓信

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BOOKOFFにて購入、竜崎攻著「韓信」を読む。2001年作品



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秦朝末期。劉邦(りゅうほう)、項羽(こうう)睨み合うなか、「股くぐり」の侮辱を甘受した武将・韓信。志を貫き、希代の智謀家ぶりで、劉邦の傘下に入る。「背水の陣」などで軍団を率い縦横な機略を駆使して、漢帝国の成立に多大な貢献をした。しかし、功労者・韓信を待ち受けていたものは?伝説的英傑を格調高く追った、長編書き下ろし歴史小説。





本書は、韓信の「義」をクローズアップさせて話を展開させています。その為に韓信の最期が歪められて書かれているのは残念です。司馬遷の「韓信」のくだりを読んでいれば、こういう結末にはできなかったのではと思い残念。








2013年3月20日水曜日

出雲と大和~古代国家の原像をたずねて

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岩波新書「出雲と大和」村井康彦著を読む。



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大和の中心の三輪山になぜ出雲の神様が祭られているのか? それは出雲が大和に早くから進出し、邪馬台国を創ったのも出雲の人々だったからではないか? ゆかりの地を歩きながら、記紀・出雲風土記・魏志倭人伝等を読み解き、古代世界における出雲の存在と役割の実態にせまる。古代史理解に新たな観点を打ちだす一冊。









村井氏の疑問は、三つ。



(1)朝廷が崇めた大和の三輪山の神が、なぜ出雲の大国主神と同神である大物主神なのか?


(2)八世紀はじめ、出雲国造が朝廷で奏上した神賀詞(かむよごと)の中で貢置を申し出た「皇孫の命の近き守神」が、三輪山の大神(おおみわ)神社、葛城の高鴨神社など、いずれも出雲系の四神だったのはなぜか?


(3)『魏志倭人伝』で知られる倭の女王、邪馬台国の卑弥呼の名が、『古事記』にも『日本書紀』にもまったく出てこないのはなぜか?


 (1)と(2)は、大和朝廷ができる前にその土地を出雲系の人々が支配していた証ではないか。(3)は、卑弥呼が朝廷と無縁の存在であり、大王(=天皇家)の皇統譜に載せられるべき人物ではなかったから。したがって、邪馬台国は朝廷の前身ではなかったのではないか……こうしたデータを重ねあわせて導き出されたのが、「邪馬台国は出雲勢力の立てたクニ」という仮説だった。村井は多くの文献をたよりに各地で検証を進めるうちにこれを実説と確信、ここに大胆な持論をまとめあげている。




(2)の出雲国造のくだりは、極めておもしろい。


(3)の邪馬台国近畿説については、甚だ疑問であり、全く賛成できないが、非常に読みやすい本であった。


2013年3月16日土曜日

時の娘

Photo_2ジョセフィン・テイ著「時の娘」を読む。





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英国史上最も悪名高い王、リチャード三世



彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。




「時の娘」とは、「真実は時の娘」(英語:Truth is the daughter of time.あるいはTruth, the daughter of Time. ラテン語:VERITAS TEMPORIS FILIAあるいは、VERITAS FILIA TEMPORIS)というフレーズの一部であり、「真実」「真理」(Truth)を意味するらしい。勉強になります。






リチャードⅢ世といえば、シェイクスピアの歴史劇で有名です。兄のエドワードⅣ世の亡き後、自らが王位につくために、兄の息子である二人の王子、つまり 自分の甥にあたる幼い王子たちを、ロンドン塔に幽閉した挙句に殺させたといわれている人物です。



『時の娘』は、イギリスの「国民的悪役」でもあるこの王 は、果たして本当に王子殺害の黒幕なのか、という謎を提起し、解明しているのです。



この謎に挑むのはロンドン警視庁の敏腕警部アラン・グラント。犯人を追跡中にマンホールに落ちて足を骨折するという、かなり敏腕ならざる状況で入院 する羽目に陥ったグラント警部は、友人である女優マータ・ハラードのすすめで、退屈しのぎに歴史上の人物たちの肖像画を眺めていました。ベッドの上でその 中の一枚、リチャードⅢ世の顔を眺めていたグラントは、この絵に描かれた人物は犯罪者には見えないと思いました。



ここから、歴史を紐解きながらの解明が始まります。最高傑作ですね!!



2013年3月9日土曜日

朝からBRUCKNER DAY(だい!)

Bruck_2






今日は、朝から ブルックナーDAY(だい)!!




3番・5番・7番・9番と奇数ばかりで攻めてみる。(いや 攻められてみる)




順に、


シノーポリ;ドレスデン


ヨッフム;コンセルトヘボウ


チェリビタッケ;ミュンヘン


ヴァント;北ドイツ放送 




3番・5番を聴いて、散髪へ  そして7番・9番へ
















写楽 ~ 閉じた国の幻 上・下

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島田荘司著「写楽~閉じた国の幻 上・下」を読む。





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世界三大肖像画家、写楽。



彼は江戸時代を生きた。たった10ヵ月だけ。




その前も、その後も、彼が何者だったのか、誰も知らない。歴史すら、覚えていない。残ったのは、謎、謎、謎―。


発見された肉筆画。埋もれていた日記。そして、浮かび上がる「真犯人」。


元大学講師が突き止めた写楽の正体とは…。構想20年、美術史上最大の「迷宮事件」を解決へと導く、究極のミステリー小説。






2013年3月3日日曜日

春の嵐の中にて 東筑波カントリークラブ

昨日のうちに春一番が吹いたので今日は大丈夫かと期待したが、豈図らんや、一日中強風の中でのゴルフを強いられました。



本日のメンバーは、水戸のオニ君、ナガO氏、そしてハプニング男のイズM氏の4名にてプレー。



場所は、千代田石岡IC近くの「東筑波ゴルフクラブ」。



ここは、天気がいい日には<筑波山>がよく見えるホールがあるというのを見つけ、予約をとりました。



強風だけで天気は最高。筑波山見事に見えました。(下の写真です)
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こちらからの、<筑波山>はひと嶺に見えますが、綺麗な稜線でした。








スコアは、強風と苦手のバンカーに泣かされ散々の50:44=94。


しかしこのところのドライバーの復調で、スコアはそれほど気にならない。


やっぱりゴルフの気分を良くするのは、ドライバーだなとつくづく思う。








さて、ハプニング男のイズM氏。今日も15分前の到着とかなりヤキモキさせられました。


あれほど十分すぎるほど余裕を見て出発するように言ったのですが・・・・。


また、このところ100が切れないと言ってましたが、私との相性の良さもあって前半49と光明。昼食時に、前半履き忘れていた、あの「飛ぶパンツ=キネティック・パンツ」を履いてなんとしても100を切りたいと言うので、「せっかく、調子がいいのだから、そのままの方が良いよ」と何度も警告。しかし本人はどうしても履くと言ってきかない。




この時点で、彼の100切りは、またも幻となったのです。




案の定、昼からの1ホール目でいきなりの7オーバー、2ホール目も6オーバー、3ホール目で2オーバー。この時点で100切り絶望。世の中そんなものです。100切りどころが終わってみれば、ハーフ69。トータル118。修行が足りませんぞ!!








そんなことはさておき、{東筑波・・}非常に良いゴルフ場でした。


設備も綺麗。コースも面白い。昼食も抜群。是非またプレーしてみたいです。


風のない日に・・・・