2013年3月31日日曜日

倭の風

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加藤徹著「倭の風」を読む。



[E:book]




ヒメミコト亡きあとの倭国へ帰還するために、トヨは魏の都洛陽を脱出した。大王への即位を狙う非情の軍事的権力者・ヒコミコトの野望を、トヨは阻止することができるのか―。三世紀半ばの倭国を舞台に、神話時代から歴史時代への過渡期の混沌をダイナミックに描く、歴史ファンタジーの快作。





邪馬台国を描くのに中国から始めるとは、ずいぶん意表を突いてくれた。
注目すべきは、クライマックスで明らかにされる、トヨ達とヒコミコトの戦いの意味だ。それは、神々の時代から人間の歴史へと移り変わるための、通過儀礼に他ならない。作者は、巨大な時間と空間の視座から、激動の古代史を捉えているのだ。おもしろい。

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