◆ 目 次
はじめに
序 章 殺人者の苦悩と悲しみ
第 一 章 四天王寺 ---- 守屋鎮魂のための最初の寺
第 二 章 善光寺 ---- 「七」による浄化の仕掛け
第 三 章 飛鳥寺 ---- 見え隠れする神道の呪術
第 四 章 法隆寺 ---- 死霊に対する恐怖
第 五 章 広隆寺と中宮寺 ---- 渡来人・秦氏の関与
第 六 章 橘寺・法輪寺・法起寺 ----共通する鎮魂の秘儀
終 章 物部守屋の正体
おわりに
法隆寺の建つ斑鳩は、もともとは物部守屋の領地だったが、守屋を滅ぼした後に厩戸皇子の領地となっている。そのため法隆寺には、守屋鎮魂の仕掛けが多数施されている。創建法隆寺も四天王寺や善光寺、飛鳥寺と同様に守屋の成仏を願う目的で建てられたのである。
「太子七か寺」に共通するのは、伽藍配置が四天王寺式配置であり、阿弥陀如来を本尊とする善光寺式一光三尊形式であり刀印をもつことである。ところが、仏像史ではこの点がほとんど触れられていないという。また、それぞれの寺院やゆかりの神社は「自然暦」を意識した位置関係にある。一定の場所から見て、夏至や冬至、春分、秋分の太陽が一定の山から出没するしくみを「自然暦」と呼び、農耕のための暦や祭祀として古来、各地で用いられてきたが、守屋の霊の鎮魂にも自然暦が使われているだ。
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