2011年4月9日土曜日

巨人たちの落日 上・中・下

123_2ケン・フォレットの「巨人たちの落日」を読了。「大聖堂」
そして「大聖堂 はてしなき世界」につづく長編大作だ。(前二作とのつながりはなし)。この作品もはらはらどきどきの人間ドラマが見事に描かれている。
運命の糸に手繰り寄せられていくキャスト。時代は、激動の20世紀初頭、第一次世界大戦へとむかうウェールズの炭鉱街から始まる。炭鉱労働者の家に育ったメイドのエセルと弟のビリー。ロシアの皇女を妻に迎え、英国貴族として生きる若き伯爵フィッツ、貴族に生まれながら女性運動に身を投じるフィッツの妹モード、敵国の女性を愛してしまったドイツ大使館員のワルター、アメリカ大統領の側近として海を越えて奔走するガス、そして革命前夜のロシアで最底辺の暮らしにあえぐグリゴーリイとレフの兄弟──。国も身分も異なる5つの家族の運命が絡み合い、壮大なドラマが紡がれていく。
三作品に共通するのは「女性」が重要な役割を果たし、また強く自立した生き方をしている点だ。そういえば名作「針の眼」もそうだった。ケン・フォレットの女性像とは、そういった社会に流されない力強い姿を理想としているのかもしれない。いや~今回も読みごたえ十分でした。



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