宮城谷昌光 「奇貨居くべし」全5巻 完読。
[E:book]秦の始皇帝の父ともいわれる呂不韋。一商人から宰相にまでのぼりつめたその波瀾の生涯を描く。多くの食客を抱え、『呂氏春秋』を編んだということ以外、多くの謎に包まれた呂不韋に、澄明な筆致で生命を与え、みごとな人物像を作り上げた、六年半に及ぶ大作。
呂不韋そのものに、それほど関心がなかったのと、良い印象がなかったので読むのが遅くなっていました。しかし。これは非常に読み応えがあり、また一つの「ビジネス書」ともいえる。商いというものへの考え方をふんだんに交えておりおもしろかった。なんといっても権謀の限りを尽くす悪人という呂不韋に対する、私の先入観を完璧に覆してくれました。
「奇貨居くべし」以外にも、「完璧」「怒髪天を衝く」「刎頸の交わり」などの故事成語も登場。正統派の聖人君子としての呂不韋。是非ご一読を。
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