宮城谷昌光著「天空の舟 上・下」を読む。久々の宮城谷物。中国物もところごころ何故か読んでないものがある。その中の一つだ。成湯王の軍師になり、夏王朝を倒して商王朝の礎を築いた伊尹が主人公である。生まれて、死ぬまでを余す事なく描写してます。物語は、神がかり的な描写からはじまる。不思議な力で洪水のときに桑の木に乗せられ水死をまぬがれた。それが主人公「伊尹」。彼はまず厨人(料理人)として王に仕えることになります。決して背伸びをせず、君主から虐げられても忠義を通していきます。結果として商の湯王(とうおう)が夏王朝を滅亡させて商王朝(殷)を開くと、最初の宰相となって国家の基礎を固めるのです。
湯王は摯(伊尹)を商に迎え入れる時に「三顧の礼」をもって迎えている。三顧の礼というと三国志における劉備が諸葛亮を迎える場面で有名だが、原型は、摯に対する湯でらしい。勉強になります。
��酒池肉林」で有名な中国王朝最初の悪女 桀の妃である妺嬉(ばっき)も登場する。しかし宮城谷氏はいつもながら本当の悪女にはしていない。このあたりも見所か。
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