上野誠著「天平グレート・ジャーニー」を読む。
天平五年の遣唐使は苛酷な運命を辿った。朝貢国中最下位扱いされながらも、多くの人士や書物を満載し帰国の途についた四隻の船団。だが嵐に遭い、判官の平群広成率いる第三船は遙か南方の崑崙国へ漂着する。風土病と海賊の襲撃で、百人を越える乗員はほぼ全滅。軟禁されていた広成ら四人だけがふたたび長安へ向かう惨状ぶり。さらには新羅との関係悪化で、北方の渤海国経由での帰国に賭けることに。天平の「外交官」の見たものは?
学者である著者らしい歴史小説といえる。こまかな史実をフンダンに交え調べた感が滲み出てきます。阿倍仲麻呂の描き方も秀逸でした。今までにない歴史小説といえるでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿