2011年6月26日日曜日

絶海にあらず 上・下

12久しぶりに北方謙三著に戻る。やはりおもしろい。本書は、承平・天慶の乱の首謀者として将門とともにその名を知られる瀬戸内の「海賊」藤原純友を主人公として、己の生きる道をみつけ国のありようを考えようとする姿を描いています。
[E:book]京都・勧学院別曹の主、藤原純友。坂東への旅で若き日の平将門との邂逅を経て、伊予の地に赴任する。かの地で待っていたのは、藤原北家の私欲のために生活の手段を奪われ、海賊とされた海の民であった。「藤原一族のはぐれ者」は己の生きる場所を海と定め、律令の世に牙を剥く!渾身の歴史巨篇。

北方水滸伝の原点のような書です。是非ご一読を。




大杉神社

001
ゴルフの帰りに、関東、東北地方に分布する大杉神社の総本社 茨城稲敷市阿波にある「大杉神社」を参拝。ご祭神は倭大物主櫛甕玉命(やまとおおものぬしくしみかたまのみこと)。三輪の神様。
003
麒麟門という美しい神門をもつ壮麗な神社である。旧社格は郷社だが別表神社となっている。
004
拝殿も豪華絢爛。
013
ご神木(あんばさま)は境内右奥にある「三郎杉」と裏の駐車場奥にある「次郎杉」
018
神紋は「羽根団扇」のようだ。これは、文治年間にはその容貌が巨体、紫髭、碧眼、鼻高であった常陸坊海存(海尊)が大杉大明神の御神徳によって、数々の奇跡を示したことから、海存は大杉大明神の眷属で、天狗であるとの信仰へと発展したからであろう。
008
権現造りの本殿も美しい。一見の価値ありでした。
017




2011年6月18日土曜日

百合咲きました

002
バラが終わり百合の季節に変わりました。
003
今年も大輪。花数も多そうです。



義経になった男 1-4

1
日経新聞にでかでかと広告。すぐさま読み始める。平谷美樹著「義経になった男」読了。あっという間のおもしろさ。

[E:book]嘉応二年(一一七〇年)。朝廷が行った強制移住で近江国に生まれ育った蝦夷のシレトコロは、まだ見ぬ本当の故郷――奥羽――を想っていた。十三歳の春のこと、三条の橘司信高と名乗る男があらわれ、シレトコロは奥羽に連れて行かれる・・・・・・。それは、後の源義経の影武者とするためだった。一方、鞍馬山の牛若は、「あなた様は、源氏のお血筋。平家を打倒し、天下に名をはせるお人」という言葉によって剣術の稽古を続けていた。そして〈遮那王〉と名乗ることとなった十六歳の牛若は、奥州平泉に向かう決意をする。壮大なるスケールで、新しい義経を描ききった、歴史小説の金字塔! 

我が国、No1の悲劇のヒーローといえば義経。「判官びいき」という言葉すら生み出した、日本人のもっとも心情を受け入れやすい人物。であるからして、いくつもの伝説はあるものの、その人物像を根底から覆す着想は至難の業である。お見事!!これぞ小説。流れるような虚構の世界。個性のおもしろさ。ラストは・・うん?と思わせる物足りなさがあるが、傑作といえるのでは。是非ご一読を!

2011年6月12日日曜日

隼別王子の叛乱

Photo_2田辺聖子著「隼別王子の叛乱」を読む。題名からは想像もつかないが、これは純粋な恋愛小説であった。[E:book]ヤマトの大王<仁徳天皇(大サザキ)>の想われびと女鳥姫と恋におちた隼別王子は、姫の奪還のため大王の宮殿を襲う。無残に潰されるはん乱。若者たちの純粋で奔放な恋と死。陰謀渦まく権力の頂点にあって、ふたりの恋の残照を生きる大王たち。「古事記」を舞台に、著者が二十年の歳月をかけて織りあげた鮮烈な恋の悲劇。この隼別と女鳥の悲劇を下敷きに物語は後半、磐之媛の溺愛する次男・住ノ江王子の叛乱へと繋がっていきます。まさに歴史は繰り返す。 是非ご一読を!この物語の真の主人公は、大サザキの妃 磐之媛(イワノヒメ)です。







2011年6月11日土曜日

テンプル騎士団の聖戦 上・下

12
レイモンド・クーリー著「テンプル騎士団の聖戦」を読む。「テンプル騎士団の古文書」の連作だ。
[E:book]FBI特別捜査官のライリーは、ヴァチカンの秘密古文書館から、貴重なテンプル騎士団の記録簿を密かに持ち出した。恋人の考古学者テスが誘拐され、彼女を救うためにやむなくとった措置だった。ライリーは誘拐犯のイラン人に記録簿を渡し、テスは解放される。やがて彼女はこれまでの経緯を話し始めた。それはテンプル騎士団にまつわる衝撃的なものだった!・・・・

レイモンド・クーリーの作品は、「ウロボロスの古写本」を含め三作品目だ。今作品はどちらかというとアクションに力を入れた感じだ。謎とき部分のリアリティーがいまいちの様な気がした。しかし、流れるような展開はよかった。作品に描かれるトルコのすばらしい自然(カッパドキア・エンジェル山)が全く想像できないのが残念だ。さて、本書に登場するアメリカ空軍の高高度無人偵察機「グローバルホーク」。3月の震災を受け、日本政府の要請により被災地・福島原発の映像を撮影したそうだ。





2011年6月5日日曜日

ワカタケル大王 上・下

Photo
黒岩重吾著「ワカタケル大王 上・下」を読む。黒岩氏の作品は久々だ。氏の最後の作品である。それも77歳。しかしこの小説は若々しさにあふれています。
[E:book]日本古代史最大級の英雄の全貌!五世紀後半の日本を舞台に、武力と戦略をもって反対勢力の豪族らを滅し、国家平定を成し遂げたワカタケル大王の波瀾の生涯を描く。五世紀半ば、倭国は大王允恭(倭王・済)の死後、王家の息子達、その従兄市辺押羽王らの政権抗争の中にあった。一方、朝鮮半島では高句麗国が半島制覇を窺っていた。百済王の弟昆支王は倭国との同盟を模索すべく渡来。勇武に優れた允恭の五子ワカタケル(後の倭王・武)は昆支王に先進文化と情報戦略を学び、次々と反対勢力を制圧する。 大悪天皇にして有徳天皇と記されたワカタケルをリアリティをもって描いている。実際はどろどろした話なのに、そう感じさせないおもしろさがある。是非ご一読を。









2011年5月30日月曜日

台風接近の中のゴルフ

とうとう晴れ男のジンクスが覆りました。さすがに台風接近とあって雨の中のゴルフを強いられました。今日は高校同期会のゴルフ。千葉の大多喜カントリー倶楽部で開催されました。さすがに他のお客さんはまばら。4組13名なんとか最後までどしゃぶりにはあわずに無事終える事が出来ました。46:45といつものスコアですが、悪天候が幸いしてベスグロ&優勝を頂きました。楽しい時間を過ごせました。
Ootaki



253823_132932793451845_100002053769




2011年5月29日日曜日

上総国二宮 橘樹神社(たちばなじんじゃ)

001
ゴルフが中止なった場合、ここまで車を走らせてくるのがもったいので、その前に「上総国二宮 橘樹神社」を参拝。延喜式 式内社である。ご祭神は、弟橘媛。ご神紋は「橘」のようです。茂原市の少し北に位置しています。日本武尊が東征の際、走水の海峡を渡ろうとした際に海神の怒りを買い、身代わりとなった弟橘媛命のために日本武尊が墳墓を造り、櫛を収めて橘の木を二株植えたのが、当社の始まりといわれています。後方に古墳があり、昔はそこがご神体で本殿はなかったようです。
010
今は、銅板葺流造の本殿が見事です。
006
こじんまりとした、静かな境内です。ご朱印は、宮司がおらず印刷したものをいただきました。残念。





プリンセス・トヨトミ

Photo_3万城目学著「プリンセス・トヨトミ」を読む。映画化の前に読んでおこうと先週あわてて急読。
[E:book]5月末日の木曜日、大阪が完全に止まる。あらゆる種類の営業活動、商業活動、地下鉄、バス等の公共機関も一切停止。しかしそのことは大阪人以外は全く知らない。その発端となったのが、会計検査院からやってきた個性豊かな調査官3人と、空堀商店街にあるお好み焼屋の中学生の息子に、その幼馴染の女子。彼らが、大阪人に連綿と引き継がれてきた、秘密の扉を開けてしまうのだった……。

奇想天外でおもしろいが、流れにもう一工夫欲しい。唐突さはそれでいいのだが、その裏付けがもっとこみいっている方が私は好きだ。そして主人公の一人 男子中学生・真田大輔君の「女になりたい」という部分。何も見えずに終わっている。必要だったのか、この話は・・・。

この手のやつは、映画(映像)の方がおもしろいかもしれない。






パイレーツ・オブ・カリビア 生命の泉

4
「パイレーツ・オブ・カリビア」観てきました。3Dでなく普通で。4年ぶりにジャック・スパロウが帰ってきました。
伝説の「生命(いのち)の泉」。その場所を記した地図を持つジャックは、かつて恋仲だった女海賊アンジェリカと再会する。彼女もまた、父親であり黒魔術を操る史上最恐の海賊"黒ひげ"とともに生命の泉を目指していた。
 一方、黒ひげに復讐心を抱く元海賊のバルボッサは、英国王に取り入り今では海軍将校。バルボッサ率いる英国海軍の船と、英国王が対抗心を燃やすスペイン海軍もそれぞれ、生命の泉へとかじを切る。泉の魔力を得るために必要とされる聖杯と「人魚の涙」を手に入れ、伝説の泉にたどり着くのは果たして誰か。ジャックとアンジェリカは、波乱に満ちた冒険の旅を共にする中で再び恋に落ちるのか?




2011年5月28日土曜日

斜陽に立つ

Photo_2

古川薫著「斜陽に立つ」を読む。

本題「斜陽に立つ」は、もちろん、
山川草木轉荒涼 (山川草木転うたた荒涼)
十里風腥新戰場 (十里風腥なまぐさし 新戦場)
征馬不前人不語 (征馬前すすまず 人語らず)
金州城外立斜陽 (金州城外斜陽に立つ)

という乃木三絶の一つからとっている。本書は、長州嫌いで知られる司馬遼太郎の筆舌にて貶められている長州人の中でもぐんを抜いてその名を汚された「乃木大将」と僚友「児玉源太郎」の友情とその真の人物像にせまるための一品である。また同時に、日露戦争の裏に潜む人間模様を通じて、何故「乃木愚将」像ができたかを探る書でもある。司馬遼太郎の「坂の上の雲」「殉死」の中で徹底的に無能扱いされた乃木大将であるが、かなり前から、その汚名を晴らす書物はある。以前別宮暖朗著「「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦」、桑原嶽著「名将乃木希典-司馬遼太郎の誤りを正す-」吉川寅二郎著「嗚呼至誠の人乃木希典将軍」という本も読み、司馬氏のあまりのひどい書きぶりに情けなく思ったもの。一面しかとらえず、かなりの色眼鏡的な思い込みでの書きぶりは、いかな小説とは言え、多くの大衆を惑わした罪は大きいであろう。長州人として司馬氏の幕末ものは、二度と読まないと決めている。

さて本書は、乃木さんと源太郎の幼少から人物像を書いており意外な面の発見もある。下関市長府の出である乃木大将と全くの同郷の私には、うれしい書籍だ。当ブログ名「留魂録」も古川薫氏の解説で読んでいる。本書も長州人必読の書であろう。

[E:book]乃木希典は本当に「愚将」なのか? 放蕩に耽った若き日から運命の日露戦争、自死まで、動乱の幕末・明治を疾走した乃木の人生の軌跡を、児玉源太郎との友情と重ね合わせながら、血の通った1人の人間として生き生きとした姿で描き出す。著者のライフワークにして集大成となる評伝小説。



2011年5月27日金曜日

乃木 第三軍について一言

日清戦争時に、大山巌率いる第二軍がわずか半日で落した「旅順」は、ロシアの手により全く違う強力な要塞と化していた。そのことへの見識を欠いた日本軍が旅順の悲劇を引き起こしたものである。乃木第三軍は、155日を費やし6万の死傷者を出し、旅順を攻略した。しかし、さかのぼることクリミア戦争時、セパストポリス要塞は1年間も持ちこたえており、その4倍の規模を誇る旅順要塞を5カ月で攻略した事実。第一次世界大戦時、ベルダン要塞は200日で独仏軍あわせて70万の死傷者を出している事実。これらを鑑みるに、果たして第三軍の攻略は稚拙。乃木は無能と一言で片づけてよいものだろうか。いやありえない。

さて、そもそも第三軍の使命は、旅順要塞を包囲しその動きを止め、クロパトキンの根拠地「遼陽」を攻略する第一軍、二軍が後ろから攻撃されないようするためであった。一か月で乃木第三軍は、見事に旅順攻囲線を確保した。しかし、旅順港閉塞に失敗を繰り返す海軍より、大本営に旅順要塞を占領し、港内のロシア艦隊を殲滅してもらいたいとの要請があり(実は港内の艦隊はすでに使い物にはならなかったのだが)、急遽、強襲法による要塞攻撃が命令されたのである。此処に悲劇は始まる。第三軍が装備していたのは、野砲百八門、山砲七十二門、攻城砲百八十八門で、いずれも口径十サンチ~十五サンチの小さな火砲であった。彼らは、東北正面を突破することを戦略とした。わずかな弾丸しか割り当ての無い第三軍は肉弾での強襲をとらざるえない。三十六門を持つ連隊の一日の弾丸の数がわずか5発。ベトンで固められた金城鉄壁の要塞をこれで攻略できるわけがない。それを司馬遼太郎は、指揮官の無能と叫ぶのだ。これは悪意と言わず何というのか教えてほしいものだ。ここには教えられるものが多くある。またの機会に再びこの件については筆をとりたい。

2011年5月22日日曜日

金宝樹も

001
金宝樹も咲き始めました。
002
レオナルド・ダ・ヴィンチは本当に綺麗です。



京伝怪異帖

Photo[E:book]伝蔵こと、稀代の人気戯作者・山東京伝が、風来山人・平賀源内、安兵衛、蘭陽らの仲間とともに、奇怪な事件に挑む。源内秘蔵の天狗髑髏にまつわる奇談、生きては帰れぬ地獄宿、恋女房に取り憑いた悪霊、そして背後に見え隠れする権力者の陰謀――。多彩なキャラクターが縦横無尽に活躍する、痛快時代ミステリー。 娯楽物につき特に感想なし。






2011年5月21日土曜日

つるバラ 競演

我が家のつるバラも咲き揃いました。
016
まずは、昨年キャンカーでかなり枝ぶりを斬り落としたレオナルド・ダ・ヴィンチですが、今年も花数はすくないものの綺麗に咲いてくれました。
017
羽衣とエゴノキの競演です。
020
024
玄関側のアンジェラ。例年より早く咲いてくれています。
023
アイスバーグも二階の位置で満開です。
025
書斎からもパチリ。
015
バレリーナもかうぃらしい花を咲かせています。
004
ピエールもかなり咲いてきました。


でも実はこれからの、花殻とりと花びら拾いが実は大変なんです。・・・・・・

014
巨大化したホスタ。どこまででかくなるねん!!




2011年5月15日日曜日

関ヶ原連判状 上・下

12 安部龍太郎著「関ヶ原連判状 上・下」を読了。
[E:book]徳川家康か、それとも石田三成か。時代が天下分け目の戦いに向けて風雲急を告げつつあった頃、そのどちらにも与せず、第三の道を画策する巨人がいた。足利将軍家の血をひく細川幽斎―。徳川の脅威にさらされる加賀前田家と提携した幽斎は、和歌の正統を受け継ぐ「古今伝授」を利用し朝廷を巻き込む一大謀略戦を仕掛けた。未曾有のスケールで描き上げる、関ケ原合戦驚愕の真相とは。

関ヶ原の暗躍物は幾つも読んだが、本書は全く違った「暗躍」を創り上げており、一気に読んでしまった。この中でひときわ悪役を引き受けた「蒲生郷舎」が強烈なキャラクターでおもしろい。架空の主人公 多門と千代はいかに?・・・書きません。是非ご一読を!




2011年5月14日土曜日

つるバラ ピエール・ドゥ・ロンサール 開花

001
ピエール・ドゥ・ロンサールも咲き始めました。今週の長雨はかなりバラにとってはマイナスですが、なんとか綺麗に咲いてくれました。
005
羽衣は、雨ですこし重たい感じに。
004
今年もクレマチスは元気です。
008




チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

Photo_2塩野七生著「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を読む。久しぶりの塩野作品だ。前々から気になっていたがやっと手にした。
[E:book]ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者――父である法王アレッサンドロ六世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ十二世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。熟練した戦略家たちもかなわなかった彼の“優雅なる冷酷”とは。〈毒を盛る男〉として歴史に名を残したマキアヴェリズムの体現者、チェーザレ・ボルジアの生涯を描く。
読んでまず感じるのは、塩野さんは、彼にかなり魅了されていたのだろうということ。マキャヴェリズムを体現した君主としての冷酷さよりも目的に向かって突き進む生き様に惹かれてしまうのだろうか。それにしてもレオナルド・ダ・ヴィンチやマキャヴェリといったルネサンス期を代表する超有名人を脇役に、歴史の面白さに埋没できる一冊か。

さてチェーザレ・ボルジアは、ローマ法王の愛人の子(庶子)である。これ自体に何か違和感はないだろうか。いつもながら思うが、キリスト教は、その名のもとに何故にかくも多くの人を殺し、自らの腐敗により簡単にあるべき倫理道徳を消し去るのであろうか。人類史上一番の謎であり功罪だ。