2008年11月30日日曜日

シェエラザード

Photo_2 Photo_3  浅田次郎「シェエラザード」を読む。



シエエラザードとは、アラビアの千夜一夜物語を語る王女の名前。暴君シャリアール王は、毎晩処女を迎えては、翌朝かならず殺すということを3年も続けていた。才色兼備の女性シェラザードは、進んで王妃となり、シャリアール王におもしろい話を聞かせた。 王は、次第にシェラザードが語る話に引き込まれていき、その話の続きが聞きたいばかりに、彼女を殺すのを1日1日と延期していく。そのうち、王は恐ろしい考えを捨て、2人は幸せな生活を送るようになった。というもの。何故、この小説にこの題名がついたのか、読み始めてわからなかった。P163 やっとわかった。リムスキー・コルサコフ作曲交響詩「シェラザード」。(読んだらわかります。)美しい曲です。



さて、この小説は、昭和20年4月、国際法上の安全保障を約束されていたにも関わらず。米潜水艦クィーンフィッシュに沈められた「阿波丸」の悲劇を題材に作られたものである。



昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく―。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。その豪華客船が使われた目的は驚くべきものだった。さて本当の目的は何なのか。そして引き上げを依頼してきた謎の中国人の正体は。冒険小説でありながら、誇りを持って美しく生きることの意味を考えさせられる本書あった。ぜひご一読を。



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