2012年7月15日日曜日

鬼道の女王 卑弥呼 上・下

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黒岩重吾著「鬼道の女王 卑弥呼 上・下」を読む。結構前から読みたくて書店を探していたが、ブックオフで偶然見つけた。
[E:book]「鬼道に事え、能く衆を惑わす」。日本古代史の永遠の謎、女王ヒミコの生涯を描く壮大な歴史ロマン。後漢時代、中国沿岸部の倭人集団の首長ミコトは、幼い娘ヒメミコの予言と宣託に導かれて海を渡り、乱世の倭国に帰還した。成長して神託を受け巫女王となったヒミコは、その卓越した判断力と超能力によって、倭国の統一に乗り出す。というもの。

卑弥呼はもともと中国の杭州湾付近に移り住んだ倭人集団の長の娘という考え方で物語は進む。そして再び吸収に戻り「邪馬台国」を治める。後漢時代の新興宗教をうけついだであろうという発想からこの書き出しが決まったようだ。おもしろい。また、ヒミコの永遠の恋人であるミチゴメに去勢の手術をさせるが、魏志倭人伝に「唯男子一人有りて飲食を給し、辞を伝えて居処に出入りす」とあることから、神聖なる女王の居処を同じにするのは、宦官でなくてはならないと考えたようである。さすがである。

物語としても面白く、また歴史としてもこうであった気にさせる深い洞察に感服です。



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