幕末時代小説、北方謙三「草莽枯れ行く」を読む。勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬、土方歳三、岩倉具視、山岡鉄舟、新門辰五郎ら同時代の有名人と次郎長は関わってゆく。任侠の清水の次郎長の目を通して、時代の影に葬り去られた男の清清しい生き様を訴えていく。そして偽官軍として処刑された赤報隊を率いた草莽の志士「相楽総三」にクローズアップ。余程でないと知らない人物だ。怪物 西郷・策士 岩倉に嵌められ、汚名をきせられ志は立たれる。信念を胸に一直線に生き、闘った彼を唯一の友と呼んだ薩摩藩士 益満休之助を登場させているのもおもしろい。
もう一人の草莽にして巨人、坂本龍馬が、休之助に語る。「草莽は枯れ行く。そしてまた新しい草莽が芽吹く。それを繰り返し、無数の草莽が、大地を豊かにしてゆく。やがていつか、その大地から大木の芽がでることもある」
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