2012年10月21日日曜日

花や散るらん

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葉室麟著「花や散るらん」を読む。2月頃に読んだ「いのちなりけり」の続編です。



[E:book]京の郊外に居を構え静かに暮らしていた雨宮蔵人と咲弥だったが、将軍綱吉の生母桂昌院の叙任のため、上京してきた吉良上野介と関わり、幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう。そして二人は良き相棒である片腕の僧、清厳とともに江戸におもむき、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにする事となるのだが。






��人は赤穂浅野家の<吉良家討ち入り>に図らずも巻き込まれてしまうのです。大石内蔵助や堀部安兵衛はもちろん、吉良上野介、柳沢吉保などの敵役もきっちり見せ場があります。







一人の女性を愛するが為に長い年月を自分の心を探して日々を送った武士の、一念を貫く清々しい姿を描いた「いのちなりけり」とは全く違うものですが、利の為に生きる者と自ら信じることの為に生きる者との対比が描かれます。





何故浅野内匠頭は刃傷事件を起こしたのかという謎を、幕府対朝廷の対立・抗争を取り込み、赤穂浪士事件の謎を解き明かすという展開へ持っていったところが、本作品のミソです。





今回もオススメです。是非ご一読を。


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