2015年1月17日土曜日

安禄山


塚本青史著「安禄山」読了。

国際色豊かな唐帝国の全盛期、玄宗皇帝の時代。遊牧民族の小競り合いが絶えない辺境の地で、ソグド人の父と突厥の母をもつロクシャンこと安禄山は謎の日本人・井真成と出会った。商才を磨きながら武人としての出世を重ねた安禄山は、豊かな経済力を背景に、ついに中央で皇帝と楊貴妃の寵臣に上りつめる。しかしそれは、飽くなき権力闘争の幕開けに過ぎなかった―。唐帝国を揺るがした男の生涯を描く、長編中国歴史小説。

本小説は、雑胡(ソグド人と突厥系の混血)の商人としての能力の高さに着目している。また義父に軍人として鍛えられ頭角を現す青年期から、突厥や契丹・渤海国・新羅など非漢民族系6ヶ国語を自在に操った外交手腕、持ち前の陽気さと太っていたにもかかわらず、修敏な舞踊家であったという、個人としての魅力の高さが、安禄山をして一大大出世を果たしたその群像を作り上げている。面白かったです。




ただ、安史の乱が残り20ページほどだったので、あまりにあっけなかったような。残念。


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