2015年1月23日金曜日

悟浄出立


万城目学著「悟浄出立」を読了。こちらは、短編小説集。

俺はもう、誰かの脇役ではない。深化したマキメワールド、開幕! 砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ? でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。
西遊記の「沙悟浄」、三国志の英雄「趙雲」、項羽の愛妾「虞姫」・司馬遷に見向きもされないその娘。秦の始皇帝暗殺を志した荊軻(けいか)と同音異字の京科という名の小役人など中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、人生の見方まで変えてしまう連作集。

自分の人生を顧みて、「過程こそがいちばん苦し」くて、「そこに最も貴いものが宿ることもある」と悟る沙悟浄。脇役から主役へと哀しくも美しく変身する「虞姫」。などなど---どれもかなり面白かったです。


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