「義烈千秋天狗党西へ」を読んだので、天狗党に興味をいだき、吉村昭「天狗争乱」もついでに読む。
[E:book]桜田門外の変から4年―守旧派に藩政の実権を握られた水戸尊攘派は農民ら千余名を組織し、筑波山に「天狗勢」を挙兵する。しかし幕府軍の追討を受け、行き場を失った彼らは敬慕する徳川慶喜を頼って京都に上ることを決意。攘夷断行を掲げ、信濃、美濃を粛然と進む天狗勢だが、慶喜に見放された彼らは越前に至って非情な最期を迎える。水戸学に発した尊皇攘夷思想の末路を活写した雄編。
吉村作品は、ドキュメンタリーといった書きぶりで、さほどキャラクターの重視も掘り下げもなく、淡々と天狗党の経緯を描いたものでした。たぶん、この作品を読んでその冷静な目で描かれた「天狗党」の姿を通して、伊東潤作品、これから読む山田風太郎「魔群の通過」を読むべきだっただろう。
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