2014年1月12日日曜日

草原の風 上・中・下

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宮城谷昌光著「草原の風 上・中・下」を読破。


宮城谷氏:「中国で革命を起こして皇帝の位に即(つ)いた英雄に魅力のない人はいない。そのなかでも特に私が好きなのは後漢王朝を樹立した光武帝かもしれない。そう考えたのは三十年も前であり、まさか光武帝を小説に書く時がくるとは想(おも)ってもみなかった。光武帝にはユーモアがある。しかもかれの創業は颯爽(さっそう)としており、王朝を確立したあとにも温雅さがあった。三国時代に比肩する群雄割拠の時代の頂点にのぼりつめた光武帝の事蹟(じせき)を追って、読者とともに楽しみたい。」


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中国歴史上、功臣の粛清を一切しなかった唯一といってよい皇帝、この光武帝劉秀なのです。
中国史上最高の名君といわれる李世民(唐)は、大規模な粛清こそしなかったものの、登極するまでに兄弟を武力で打倒し、晩年は後継者問題を起こすなど、それなりに血なまぐさい経歴を持っています。
それに対し、劉秀は兄の仇でさえ許して重用したり、降伏させた敵を処断せずに丁重に取り立てたりします。
覇業完成までに、多くの血を流したことは事実ですが、感情や偏見によって他人の命を奪うようなことは決してしなかった人物です。その意味では、覇道ではなく王道を着実に歩んだ人物だとも言えるでしょう。





だから、読んでいて清々しい気持ちになります。是非ご一読を。


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