2014年1月19日日曜日

黒南風の海

Photo_2伊東潤著「黒南風の海~加藤清正 文禄・慶長の役」を読む。



[E:book]
もはや生まれた国などどうでもよい。一度、この大地に生を享けた者は、この大地に恩返しすればよいのだ――。


文禄、慶長と二度に渡って行なわれた、豊臣秀吉の朝鮮出兵。それは、日本と朝鮮両国にとって、無益な戦そのものであった。


主人公は、文禄・慶長の役で日本軍の先陣を務めた加藤清正の鉄砲隊をあずかる佐屋嘉兵衛忠善と、朝鮮のなかでも治め難い地である咸鏡道の役人・金宦。


日本軍が破竹の進撃を続けるなか、加藤清正軍の先手として活躍するも、他国を侵す戦いに疑問を抱きはじめていた嘉兵衛と、都を落ちのびて咸鏡道にやってきていた王子を守る金宦があいまみえる。


嘉兵衛、金宦、そして加藤清正……、戦う男たちのあいだに何があったのか?
息をもつかせぬ展開、そして怒濤のクライマックスへ。誰もがあきらめかけたとき、男たちの生き様が戦場に奇跡を起こす!


新進気鋭の歴史小説家が、「文禄・慶長の役」を真正面から描いた渾身の長編小説。





主人公の一人佐屋嘉兵衛忠善こと「さやか」が登場します。「さやか」は司馬遼太郎が『韓のくに紀行』(1978年・街道をゆく2)で書いてからよく知られるようになった。その時の評価は大義なき戦のなかの正義の反逆という感じだったと思う。



本書においては、そもそも人間としての生き方・あり方のようなものを教えてくれる。これは、単に国や軍隊といった中だけでなく、企業をも含めた組織中の個としての人間の生き方にせまるものではないだろうか。ご一読を!!


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